古民家は再生した方がいいか、解体した方がいいか

古民家は価値ある建物です。

 

大工職人が手間をかけ、地元の良質の木材を使って時間をかけて建てた建物だからです。

 

建物は時間をかけて建てた分長持ちすると思います。

 

しかし適切なメンテナンスがおこなわれていなかったり、空き家になると建物は痛みます。

 

痛みのある建物を再生しようかと悩んだ際に多くの設計士や大工職人、建設会社は建て替えを進めます。

 

なぜなら、建物を客観的に評価して再生した場合のコストと、建て替えのコストを比較するすべを持っていないのと、再生する知識を持ち合わせていないからです。

古民家の調査と再築 著者 川上 幸生
古民家の調査と再築 著者 川上 幸生

 

私は、平成21年にできた内閣府認可 一般財団法人職業技能振興会の認定資格「古民家鑑定士」の学習用教本、試験問題、採点などを委託を受け長年携わってきました。

 

学習用教本は最新版は「古民家の調査と再築」といい、約500ページあります。

 

古民家の基本的な構造や仕様、耐震を含めた改修方法や、古民家の現状のコンディションを調査するインスペクション項目などを多岐にわたる内容を書いています。

 

この教本は「古民家鑑定士」を始め、建築士の方が学ぶ様々な資格でも使っていただき、毎年4000冊以上は売れているいわば、古民家のバイブルとなりつつあります。

 

古民家鑑定士資格者は全国に1万人3千人以上、古民家の現在のコンディションを確認する古民家再生総合調査報告をおこなっています。

 

資格者が調査し発行する 古民家鑑定書
資格者が調査し発行する 古民家鑑定書

古民家鑑定士資格者、伝統耐震診断士資格者、古民家床下診断士が協力しておこなう「古民家再生総合調査報告書」の調査項目や評価基準、固定資産税では0円の古民家を文化的価値で査定する査定金額の計算方法など、古民家鑑定書のシステムも作りました。

 

古民家鑑定士は約600項目を目視で調査して、確認できたものにチェックを入れます。

 

チエック項目を送ってもらい、チェックした内容によって点数をつけて、最終的に外壁や基礎、内部などの7つの項目ごとに100点満点で点数化して、全体の点数と、建物が再生できるか、再生するにはコストがかかりすぎるので建て替えた方がいいのかの判定と、

 

現在のコンディションがわかるので、今後30年間のメンテナンススケジュールを作成して仕上げます。

 

古民家再生総合調報告は年間約400件実施しており、その全ての作成をおこなっています。

 

また床下の状態も詳細に調査し、薬剤に依存せず床下環境を改善維持するためのアドバイスをおこなう古民家床下インスペクション調査、

 

伝統構法の免震的(制振的)構造での耐震診断をおこなう伝統耐震診断(耐震診断は東京にある一般社団法人伝統耐震診断機構が評価し、それを古民家再生総合調査報告で取りまとめています)。

 

 

 

古民家の所有者はこの古民家再生総合調査報告を元に再生するか、建て替えるかの判断をし、古民家を購入したい方もこれを購入前に実施して、古民家の本体価格以外に修繕などにどのぐらいお金がかかるかを把握できるようになりました。

 

国土交通省は空き家の増加を抑えるために中古住宅の流通の活性化に取り組んでいます。その中で建物のコンディションを調査して安心して購入できる仕組み作りを進めています。それがインスペクションと呼ばれるプロがおこなう建物の品質検査です。

 

ただ現在のインスペクションは在来工法の建物を昭和56年度以降の新耐震基準と呼ばれる耐震強度を持ったものかどうかを調べることが主眼で、建築基準法のできた昭和25年以前にすでに建っていた古民家を調べる項目はありません。

 

現在の住宅は耐震的設計で、地震の際に揺れないように造ります。しかし古民家は伝統構法と呼ばれる工法で建てられた地震時にはゆっくり大きく揺れて地震の力を逃す免震的(制振的)建物です。

 

つまり、同じような骨組みですが、地震時の挙動は真反対なのです。免震的構造の古民家を耐震的構造の現代の住まいに改修することは簡単ですが、それでは長年地震に建ててきた実績のある古民家ではなくなってしまいます。

 

古民家の良さと強さを活かしながら再生することが可能かを判断するのが古民家インスペクションであり、

 

それができるのは全国でも数少ない人間しかできないのです。

 

古民家の資格教本の執筆や、全国での講習試験の講師活動、それに古民家に関連した講演に読んでいただくことで、全国の多くの資格者の方と知り合わせていただき、様々なご相談もいただけるようになりました。

 

インスペクションだけでなく実際の改修工事でのご相談もたくさんいただきます。古民家の専門家としてテレビ局からの相談や、ラジオへの出演、新聞社などの取材もおかげさまで多くなったために肩書きが必要となり、

 

コミンカ二ストという肩書きを作りました。

 

 

・古民家の活用について

・相続や売却について

・再生や建て替えについて

・維持管理メンテナンスについて

・耐震診断について

・インスペクションについてなど

 

古民家についてのご相談がありましたらお気軽にお問い合わせください。

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